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お知らせ
折込チラシの水増しを自ら立証する準備書面、毎日の箕面販売所「押し紙」裁判(重要・全文公開)①

 毎日新聞と共同通信の提携問題に波紋が広がるなか、毎日新聞社の運命を左右しかねないもうひとつの重要事項が水面下で進行している。「水面下」と表現したのは、ジャーナリズムの光が当たらない領域であるからだ。

 毎日新聞・箕面販売所の所長が提起した「押し紙」裁判が終焉に近づく状況の下で、被告の毎日が物議をかもしそうな準備書面を提出した。

 折込チラシの水増し行為を毎日がみずから指揮していたとも解釈しうる内容で、他の毎日関連の販売店訴訟にも大きな影響を及ぼしそうだ。 広告主の怒りをかうのは必至だ。

◇箕面販売所の「押し紙」裁判
 この裁判は、2007年に同販売所の所長が、「押し紙」で被った損害・約6300万円の賠償を求めて大阪地裁に提訴したものである。裁判の最大の特徴は、所長が「押し紙」を断った証拠が明確に残っていることだ。

 これまでの「押し紙」裁判では、勝敗の分かれ目は、店主がはっきりと「押し紙」を断ったか否かにかかっていた。残紙があったことは立証できても、それを断った証拠がなかったために、損害賠償請求は認められなかった。

  これに対して、箕面販売所の所長は、内容証明郵便で再三にわたって新聞の搬入部数を指定していた。それにもかかわらず、毎日は過剰な新聞を搬入していたのだ。当然、内容証明郵便が「押し紙」を断った証拠として残っている。

 改めて言うまでもなく、この「押し紙」裁判では、店主が勝訴する確率が圧倒的に高い。実際、裁判所は和解を勧告し、その中で毎日に1900万円を(元)店主に支払うように提案した。しかし、毎日はこれを拒否。裁判は来年の1月25日に、元店主の本人尋問を行う段取りとなった。

◇毎日にとって命取りの準備書面
 こうした状況のもとで、毎日の高木茂太市弁護士らは、「準備書面(9)」を提出してきた。ところが、わたしが一読したところ、この準備書面の前半には、毎日の命取りにもなりかねないことが書いてあるのだ。正直なところ、わたし自身、びっくりした。

 毎日の主張は、新聞部数の「減数」は、店主の一方的な申し入れで決まるのではなくて、「原告・被告双方の意思の合致(合意)を要する」というのだ。つまり販売店も一定の部数は、負担する義務があると主張しているのだ。たとえば、高木弁護士らは次のように明記している。

(略)新聞販売業務の委託者たる販売店主は、担当する区域の購読者に対し、一定の責務を負っているにもかかわらず、販売店主は、一方的な通知を行うことによって、直ちに、部数を減らすべきことが出来るというのは、新聞販売委託契約における受託者(販売店主)の義務を不当にも看過し、被告側に過度に不利益を強いるものでしかないのではないか、(略)

 難解な文章である。わたしなりの解釈は次のようになる。

1、販売店は担当地区の部数に責任をもっている。

2、それゆえに、販売店が一方的な通知で部数を減らせると考えるのは、販売店の義務を看過し、新聞社に不利益をもたらす。

 改めて言うまでもなく、このような毎日独特の論理が通用するはずがない。と、いうのも独禁法の新聞特殊指定が、不公正な取引方法を次のように定義しているからだ。

 販売業者が注文した部数を超えて新聞を供給すること(販売業者からの減紙の申出に応じない方法による場合を含む)

 毎日の持論が法律よりも優先されるはずがない。こんなことは法学生でも知っているのではないだろうか?

◇繰り返し「『折込広告の収入』の大幅な減少を招く」
 しかし、この記述よりも問題なのは、折込チラシの水増し行為を準備書面の中で認めていることである。

  難解な文章であるが、核心部分をそのまま引用してみよう。

 そもそも、被告としては、原告からの申し入れがあった場合、これを無視することなく、その都度、申し入れ内容を確認の上(必要な場合には、経営資料等の提出を求めて)、合理的な部数につき判断を行うとともに、他方において、安易な部数減は、「折込広告の収入」の大幅な減少を招くなど、販売店の急激な収支悪化を招きかねないため、原告の健全な販売店経営の維持との観点も、総合的に考慮の上、可能な範囲で、最大限応じてきたものであって、直ちに、「違法」とする原告指摘は、かかる経緯を看過するものでしかない。

 店主が減部数を求めたのは、配達していない残紙があったからだ。当然、残紙にも折込チラシがセットになっている。

  この点を前提にして、高木弁護士らは、「安易は部数減は、『折込広告の収入』の大幅な減少を招く」と書いているわけだから、折込チラシの水増し行為により、毎日が利益を得ていることを認めたことになる。

  また、「被告としては、原告からの申し入れがあった場合、これを無視することなく、その都度、申し入れ内容を確認の上(必要な場合には、経営資料等の提出を求めて)、合理的な部数につき判断を行う」と述べているわけだから、
販売店の「押し紙」も把握しているということである。

 さらに次の記述も、折込チラシの水増しを主導していることを示す動かぬ証拠と言えるだろう。

 なお、この安易な部数減は、「折込広告の収入」の大幅な減少を招くとの点については、甲第3号証記載の、平成17年5月19日行われた原告からの「900部」への減数要請に際しても、被告は、かかる要請に対して、直ちにこれに同意したものではなく、原告の年齢・販売意欲等、諸事情に照らし、

  かつ、被告担当者において、570部もの減数は、「折込広告の収入」の大幅な減少を招くとともに、補助金の一部につき支給ができなくなることを説明し、販売店の経営が維持できなくなるのではないかとの懸念まで示すも、それでも構わないとの、原告の認識を得た上で、ならばやむなしと応じたものの、残念ながら、平成20年12月末日をもって、原告は新聞販売店を廃業・終了するに至っているところである。

 この文章からも、毎日が折込チラシの水増しを知っていることが判明する。しかも、「押し紙」を減らせば「『折込広告の収入』の大幅な減少を招く」ことを、2度も繰り返し(赤文字)店主に種々のアドバイスを行っているのだ。(参考:広告主リスト

◇他の毎日裁判に与える影響
 高木弁護士らの筆によるこの準備書面(9)は、「押し紙」と折込チラシの水増しを柱とした毎日の販売政策を示す決定的な証拠である。今後、次の点に注目していきたい。

1、他の「押し紙」裁判で、毎日のビジネスモデルを示す証拠になる。

2、広告主が折込チラシの詐欺で裁判を起こした場合、詐欺の証拠になる可能性が高い。

3、公正取引委員会が、この準備書面をどう判断するか。(4000/4000文字・全文公開

 

 

 


 

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