1. 【シリーズABC部数検証】① 名古屋市における朝日新聞のケース、朝日新聞の販売会社が朝日新聞社に新聞を注文のケースも

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2021年06月01日 (火曜日)

【シリーズABC部数検証】① 名古屋市における朝日新聞のケース、朝日新聞の販売会社が朝日新聞社に新聞を注文のケースも

新聞のABC部数は、新聞社が販売店やコンビニなどに販売した部数のことである。新聞社が、日本ABC協会へ部数を申告する。ABC協会は、定期的に新聞社や販売店に入って、部数の公査を実施する。そして4月と10月に、区市郡別にそれぞれの新聞の発行部数を公表する。

4月に公表された部数は、6月から11月の広告営業に、10月の部数は12月から翌年の5月の広告営業に使われる。広告主が折込広告や紙面広告を発注する祭のひとつの指標として利用される。

当然、実配部数に近いデータを示さなければならない。ところが筆者が予備調査をしたところ、数年にわたって部数に1部の増減もみられない地域があることが多数あることが判明した。

このよな状態をここでは「ロック」あるいは、「定数制度」と呼ぶ。

ロックの原因は、新聞社が「押し紙」のノルマを設定しているか、販売店がみずから過剰な新聞を購入しているかのどちらかだ。

しかし、これから開始する調査では、残紙の責任が新聞社にあるのか、それとも販売店にあるのかは原則として問わない。広告主の利益に貢献するために、不自然なABC部数の実態だけを報じる。

第1回目は、名古屋市における朝日新聞のABC部数である。部数のロックが頻繁に確認できる。

■朝日新聞ABC部数の変化(名古屋市)

 

●販売会社が朝日新聞社に新聞を注文
ちなみに次の販売店は、朝日新聞名古屋販売株式会社の所有だ。

西区・ASA城北、中区・ASA大須、瑞穂区・ASA瑞穂、中村区・ASA中村公園、中川区・ASA高畑、昭和区・ASA丸山

これらの店舗では、朝日新聞の販売会社が朝日新聞社に新聞を注文していることになる。

◆ABC協会への問い合わせ
筆者は、ABC協会に対して次の問い合わせを行った。回答と併せて掲載する。

お世話になります。

問い合わせ事項があり、連絡させていただきました。
名古屋市のABC部数(朝日新聞)を過去5年まで遡って調査したところ、長期にわたる部数のロック(定数を固定する行為)が頻繁に繰り返されていることが判明しました。

貴協会は、名古屋市を対象としたABC公査を実施されたのでしょうか。
また、広島県など他の地区でも、ロックが確認できます。

これは新聞社が定数を指定していることを意味しますから、新聞特殊指定に違反しているのではないでしょうか?

参考までの名古屋市の調査ファイルを添付します。朝日新聞のABC部数です。

 公査したかどうかを教えてください。

黒薮

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黒薮 様

お世話になっております。
お問い合わせいただいた件ですが、ABCの新聞部数は、発行社が規定に則り、販売店をはじめそれぞれの

販売ルートを通じて販売した部数です。

この部数については、2年に1度新聞発行社を訪問し、間違いがないかを確認しています。

さらに、その補足として販売店公査も行っており、販売店をサンプルで選んで行っています。

お問い合わせの名古屋市も、基準に該当する新聞発行社の販売店公査を、直近では2019年に実施しています。

なお、販売店調査対象店および調査結果は、秘密保持が原則となっており公表しておりません。

また、特殊指定の件については当協会が知り得ないことでもあり、回答を控えさせていただきます。

どうぞよろしくお願いいたします。