1. 原告弁護士に責任はないのか?提訴を思いとどまらせるべきだった、横浜副流煙裁判

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2020年11月21日 (土曜日)

原告弁護士に責任はないのか?提訴を思いとどまらせるべきだった、横浜副流煙裁判

横浜副流煙裁判で、被告の藤井将登さんの勝訴が確定した。提訴が2017年11月で、高裁判決が20年10月。翌11月に原告が上告を断念して、東京高裁の判決が確定した。裁判の提訴から、終了までがちょうど3年だった。

取材してきたわたしは、裁判の記録作業に入った。事件を想起しながら、わたしは改めて事件の異様さを痛感している。

まず、奇妙なのは、社会通念からして、即座に棄却されてもおかしくない裁判を、裁判所が3年も継続したことである。繰り返し述べてきたように、訴因は将登さんの喫煙である。自宅の密封された音楽室で将登さんが吸った1日に2本か3本の煙草が原因で、隣人が受動喫煙症に罹患(りかん)したとして、将登さんに対して裁判を起こしたのである。準備書面の中で原告は、癌の原因が将登さんの副流煙だという主張も展開した。

提訴の前段、つまり副流煙をめぐる隣人トラブルが浮上した段階で、将登さんの妻・敦子さんは弁護士に相談した。弁護士は、事件の中身があまりにもばかばかしいので、心配しないようにアドバイスした。箸にも棒にも掛からない案件と判断したのである。

実際、裁判所も当初は重大事件という認識が薄かったのか、合議制(裁判官が3人)を採用しなかった。裁判官は1人だけだった。

ところがいざ審理に入ると、作田学医師や宮田幹夫医師ら、著名な人々が原告のために次々と意見書を提出した。それにつれて裁判所の態度も変わった。結審の気配がなくなってしまったのだ。

藤井さんの代理人弁護士は、審理の中で喫煙する権利を重視して、科学論には深入りしようとはしなかった。それはひとつの戦略である。が、それに納得できなかった敦子さんは、弁護士を解任した。そして支援者が知恵を結集して共同で取材し、共同で書面を準備したのである。

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藤井さん側が、科学論に踏み込んだとたんに、裁判所の体制が変わった。合議制(裁判官が3人)になったのである。しかし、本来は合議制にするような内容ではない。自宅で喫煙することは、法的に認められているからだ。

驚いたことに、控訴審になってからは、作田氏ら医師に交じって、複数の建築士が意見書を提出した。建物の構造から考えて、将登さんの副流煙が、原告宅へ達する可能性があるというのであった。ほとんど言いがかりに近い主張だとわたしは思った。

このように審理のプロセスそのものに不自然な部分があるのだ。わたしは、自宅でも喫煙を禁止する判例を作ろうという原告らの意図を露骨に感じた。そのための判例が欲しかったのでは。

作田医師らは、自宅内での喫煙に対して4500万円のお金を請求することで、日本中の喫煙者に暗黙の警告を発したのではないか。

わたしはそんな疑惑を持った。そのためにフリーランスの将登さんを、「みせしめ」にしたとすれば人権問題である。裁判制度を悪用した行為で、厳重に「処罰」されなければならない。

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わたしは、原告の代理人を引き受けた山田義雄・山田雄太の両弁護士にも重い責任があると考えている。2人は、原告に提訴を思いとどまるようにアドバイスすべきだった。根拠のない裁判を起こさないようにアドバイスすべきだったのではないか。

『弁護士業務基本規程』の第75条に次のような条文がある。

【75条】弁護士は、偽証若しくは虚偽の陳述をそそのかし、又は虚偽と知りながらその証拠を提出してはならない。

横浜地裁判決は、作田医師による医師法20条違反を認定した。医師法20条は、医師が患者を診断することなく診断書を交付することを禁止している。診断書が証明書の類であるからにほかならない。ところが作田医師は、原告のひとりを診断することなく、診断書を交付したのである。

しかも、この問題の診断書は、提訴の有力な根拠になった。だた、それは医師法20条違反だけではなく、他にも複数の問題を孕んいる。たとえば1通しか存在ないはずの診断書が、2通存在するうえ、病名も部分的に間違えている。おそらくはワードで作成したものである。

さらにこの診断書には、医学上の記述とは別の問題もある。診断書の中で、作田医師は、将登さんが副流煙の発生源であると事実摘示しているのだ。とはいえ、将登さんにそれを確認したわけではない。事件現場を取材したわけでもない。何の根拠もないのに、はっきりと副流煙の発生源は将登さんであると断定しているのである。

山田義雄・山田雄太の両弁護士は、これらの事実を知らなかったのだろうか?

さらに問題なのは、原告のひとりに約25年の喫煙歴があった事実が発覚した後も、山田弁護士親子が裁判を続けた事実である。そのための主張の裏付けとしたのが、作田医師の意見書である。作田医師は、過去の喫煙歴と受動喫煙症は、あまり関係がないとする意見を述べたのだ。

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異常づくめの横浜副流煙裁判である。不自然極まりない提訴だっただけに、今後、藤井さんと支援者は、厳密に「戦犯」の責任を問うべきだろう。このような裁判が繰り返されることがあってはならない。

 

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