1. 作田学・日本禁煙学会理事長に対する不正請求の調査を開始、横浜市青葉区が東京都福祉保健課「指導監査部」へ判決文を含む全書面を送付

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2020年06月16日 (火曜日)

作田学・日本禁煙学会理事長に対する不正請求の調査を開始、横浜市青葉区が東京都福祉保健課「指導監査部」へ判決文を含む全書面を送付

横浜副流煙裁判の横浜地裁判決で、医師法20条違反(原告のひとりを診察せずに診断書を作成)が認定された作田学・日本禁煙学会理事長に対する被告家族による追及が、法廷外でも進んでいる。

被告の藤井将登さんの妻・敦子さんが、居住地である横浜市青葉区の区役所に対して、作田氏が作成したニセ診断書から発生した診療報酬に関する調査を申し立てていたところ、15日になって、青葉区が関係資料を調査機関である東京都福祉保健課「指導監査部」へ送付したことが分かった。

問題となっているのは、作田氏が作成した原告A娘の診断書。作田氏は、原告A娘を一度も診断することなく診断書を作成。病名として、「受動喫煙症レベル4」、「化学物質過敏症」などと記していた。

医師法20条違反を指摘されて原告A娘を往診したのは、横浜地裁が判決を言い渡した後である。しかし、「保険医療機関と患家との距離が16kmを超える往診・訪問診療については、当該保険医療機関からの往診等を必要とする絶対的な理由がなければ保険診療として算定が認められない」。現在は、次の引用のようにルールが緩和されているが、作田氏のケースには当てはまらない。東京渋谷区の日赤から、横浜市青葉区の原告宅までは、16キロ以上はなれている。

重症児の在宅医学管理など、往診等に対応できる保険医療機関の確保が特に難しい専門的な診療を要する場合であって、近隣に対応できる保険医療機関を患者が見つけられず、往診等を依頼された保険医療機関も患者の近隣に対応できる保険医療機関を実態上知らない場合は、往診等を必要とする絶対的な理由に含まれることを明確化。■出典

医師法20条は、患者を診察せずに診断書や死亡診断書を交付することを禁じている。ニセの診断書や死亡診断書が独り歩きする恐れがあるからだ。病気でもない人間が病人にされたり、生きている人間が死者にされる恐れがあるからだ。横浜地裁はこの点を重く受け止めて、作田理事長の行為が明らかに医師法20条に違反していると認定した。

ニセの診断書から発生した保険料の公的支出は、2000円に満たないが、不正請求であることには変わりない。作田理事長が今年の3月末まで在籍していた日本赤十字医療センターは、保険料は返済したと、藤井さんに説明した。そこで確認のために、藤井さんが青葉区の担当部署に調査を依頼したのだ。

この事件の詳細については、次の記事に詳しい。事件の経緯、横浜地裁判決、それに原告の控訴理由書に対する被控訴人の答弁書などを掲載している。

■横浜副流煙裁判のまとめ、提訴の経緯から判決まで

また、東京都福祉保健課「指導監査部」の業務は次のPDFで確認できる。

■「指導監査部」の業務