1. 『週刊実話』がCM問題を報道、タイトルは「博報堂のテレビCM『巨額水増し請求』を暴く!」

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2016年06月17日 (金曜日)

『週刊実話』がCM問題を報道、タイトルは「博報堂のテレビCM『巨額水増し請求』を暴く!」

昨日(16日)発売された『週刊実話』が「博報堂のテレビCM『巨額水増し請求』を暴く」と題する記事を掲載している。

博報堂と通販のアスカコーポレーション(福岡市)の係争は、メディア黒書でも重点的に報道して来た。博報堂がアスカから請け負っていた通販情報誌に多数のデータ流用(バックナンバーからのパクリ)が発見された事件を皮切りに、昨日付けの記事では、CMコードが刻印されていない放送確認書が多数発見された件などを伝えた。

◇視聴率21.9%で番組制作を提案

『週刊実話』の記事は、新たに視聴率の偽装を報じている。視聴率のデータは通常、ビデオリサーチ社のものを使用する。番組(CM/通販番組)の制作提案書に同社のデータを明示して、「しかじかの視聴率が期待できるので、この時間帯にCMを流しましょう」と提案するのだ。

『週刊実話』は、実際にはあり得ない数字が提示されていたと伝えている。実は、不自然な視聴率の問題に関しては、筆者もアスカから若干の資料を入手している。それによると極端なケースでは、21.9%の視聴率を提示して、番組企画が提案されている。この数字を参考にしても『週刊実話』の記事は、信憑性が高い。

ちなみに『サンデー毎日』(6月14日号)に、主要放送局の視聴率比較表が掲載されている。次の数値である。

 博報堂がアスカに提示したとされる視聴率21.9%は不自然だ。参考までにNHKの紅白歌合戦の視聴率を示そう。こちらはさすがに高視聴率だが、それでも40%(2015年度)には満たない。出典は、ビデオリサーチ社。

■紅白歌合戦の視聴率

◇テレビ「視聴率」の偽装と新聞の発行部数の偽装

日本のメディアが隠している2大問題は、テレビ「視聴率」の偽装と新聞の発行部数の偽装である。

博報堂が関与した放送番組の問題は、必然的にテレビ局のあり方に連動するので、テレビ局と系列関係にある新聞社も報じない。逆説的に考えるとなかなかジャーナリズムの光が当たらない領域であるがゆえに、内面が暴露されたときには、とんでもない実態になっているようだ。

【参考記事】博報堂による「過去データ」流用問題、編集の実態、アスカ側は情報誌のページ制作費だけで7億円の過剰請求を主張