1. 進む国家公務員の腐敗、会計検査院が黒薮の「審査要求」を却下、疑惑だらけの博報堂と内閣府のPR業務をめぐる取り引き

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2017年12月28日 (木曜日)

進む国家公務員の腐敗、会計検査院が黒薮の「審査要求」を却下、疑惑だらけの博報堂と内閣府のPR業務をめぐる取り引き

筆者が会計検査院に対して申し立てた審査請求が、12月25日に却下された。この審査請求は、今年の5月8日に申し立てたもので、内閣府と大手広告代理店・博報堂との間の不透明な取り引きの調査を求めたものである。

両者の取り引きの不可解な実態は、メディア黒書で紹介してきたとおりである。たとえば内閣府から博報堂へ宛てたPR業務の発注が、見積書を発行することなく内閣府の裁量ひとつで、自由に出来る体制になっていた事実である。この方法で、約20億円の発注が行われていた。情報公開請求により関連する書面を入手したが、その大半は黒塗りで、詳細は分からない。

また、博報堂が発行した請求書の書式が、博報堂が使う正規のものではなく、おそらくはエクセルで作成されていた事実である。その請求書には、インボイスナンバーが付番されていない。これは会計監査とシステム監査を受けていない可能性を示唆する。当然、裏金づくりの疑惑もある。

博報堂事件の詳細については、次のリンクを参考にしてほしい。

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◇論理が飛躍した却下理由

わたしが審査要求の根拠としたのは、会計検査院法35条である。

会計検査院は、国の会計事務を処理する職員の会計経理の取扱に関し、利害関係人から審査の要求があつたときは、これを審査し、その結果是正を要求するものがあると認めるときは、その判定を主務官庁その他の責任者に通知しなければならない。

却下の理由は、筆者が「利害関係人」ではないからというものである。理由書の肝心な部分は、言葉の相関関係が分かりにくい変な作文だが、そのまま引用しておこう。

会計検査院法35条第1項の規定により会計検査院が審査を行うのは、国の会計事務を処理する職員の会計経理の取り扱いに関し、利害関係人すなわち国の会計事務を処理する職員の会計経理の取扱いによって自己の権利又は利益に直接影響を受ける者から自己に不利益な会計経理の取扱いの是正を求める審査の要求があった場合に限られる。

審査要求却下通知書の全文

読者はこの作文に違和感を覚えないだろうか。改めていうまでもなく、ここでのキーワードは、「利害関係人」である。本来であれば、「利害関係人」を定義し、筆者がそれに該当しないことを説明したうえで、却下という結論を述べなければならない。ところが、その説明を大胆に飛び越え、既成の前提として、審査を求める権利を退けているのだ。論理が破綻している。国家公務員がこのレベルの職能ではこまる。

国民は「利害関係人」と解釈されるべきだろう。と、言うのも納税義務を負わされているからだ。国家予算は、税で支えられているのである。そのお金が見積書なしに、20億円も支出され、しかも、請求書にインボイスナンバーが付番されていなければ、会計の実態を調査するのは当たり前ではないか。

国家公務員の腐敗はどこまで進むのだろうか。

 

審査要求書

黒薮陳述書

【参考記事】会計検査院に提出した審査要求書と陳述書を全面公開、国家予算の「闇」は昔から何も変わっていない