1. 内閣府に対して情報公開請求、「博報堂グループに支払った補助金等の総額、売買、貸借、請負その他の契約の総額」

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2017年01月10日 (火曜日)

内閣府に対して情報公開請求、「博報堂グループに支払った補助金等の総額、売買、貸借、請負その他の契約の総額」

内閣府に対して筆者は、6日、内閣府が博報堂グループに支払った補助金等の総額、売買、貸借、請負その他の契約の総額の開示を請求した。これは官庁の管理職員が退官後に民間に再就職した場合、その官庁と就職先との取り引きの詳細を明確にすることを定めた国家公務員法106条の27に基づいたものである。

昨年末、読者からの通報で内閣府のナンバー2にあたる元審議官・阪本和道氏が博報堂に再就職していることが判明したために、今回の情報公開請求に至った。請求内容は次の通りである。

2016年1月1日付けで内閣府の阪本和道元審議官が博報堂に再就職されています。従って国家公務員法の第106条27の規定により、2016年1月1日以後に博報堂グループに支払った補助金等の総額、売買、貸借、請負その他の契約の総額の開示を請求します。
  参考までに国家公務員法の第106条27を、下記に引用しておきます。

(再就職後の公表)
第一〇六条の二七 在職中に第百六条の三第二項第四号の承認を得た管理職職員が離職後に当該承認に係る営利企業等の地位に就いた場合には、当該管理職職員が離職時に在職していた府省その他の政令で定める国の機関、行政執行法人又は都道府県警察(以下この条において「在職機関」という。)は、政令で定めるところにより、その者の離職後二年間(その者が当該営利企業等の地位に就いている間に限る。)、次に掲げる事項を公表しなければならない。
一 その者の氏名

二 在職機関が当該営利企業等に対して交付した補助金等(補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和三十年法律第百七十九号)第二条第一項に規定する補助金等をいう。)の総額

三 在職機関と当該営利企業等との間の売買、貸借、請負その他の契約の総額

四 その他政令で定める事項

◇行政事業レビューシート

省庁がどのような国家予算の使い方をしているのかは、意外に知られていない。と、言うよりも、調査方法を知らない人が大半を占める。しかし、それはインターネットで公開されている。情報へのアクセス方法を知れば、誰でも情報を入手できる。

たとえば行政事業レビューシートと呼ばれる書面がある。内閣府のウエブサイトは、行政事業レビューシートについて、次のように説明している。

行政事業レビューシートとは、政府が実施している約5,000の各事業について、各府省において、事業の執行状況や資金の流れ等を統一した様式に記載するものです。行政事業レビューシートは各府省のHPにて、毎年7月上旬までに中間公表され、8月末~9月中旬までに最終公表されます。

行政事業レビューシートによると、たとえば2015年に内閣府の「重要施策に関する広報」の名目で、支出された費用は、次のリンク先の「0003~0007」に記入されている。

■内閣府の行政事業レビューシート

これらの資料によると、博報堂には25億4500万円が支払われ、電通には30億900万円が支払われた。この両者だけで優に55億円を超えている。このうちのかなりの部分が新聞社やテレビ局に移動している。

広告代理店が尋常ではない高額請求を繰り返してきた背景に、広告代理店が公共機関とメディアをつなぐ役割を果たしている事情がある。公共機関は広告代理店と新聞やテレビなどに「国策プロパガンダ」の役割を期待しているのである。

安倍首相とメディア幹部の会食は、表向きのことであって、水面下では巨額な資金が動いているのだ。

行政事業レビューシートを利用して、細かく「税金」の使い方を検証する意義は大きい。