1. 博報堂によるタレント料の請求、08年の平均約41万円から11年は約71万円へ急騰、「博報堂VSアスカ」の裁判

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2016年06月08日 (水曜日)

博報堂によるタレント料の請求、08年の平均約41万円から11年は約71万円へ急騰、「博報堂VSアスカ」の裁判

大手広告代理店の実態を検証するシリーズ。博報堂と通販のアスカコーポレーション(本社・福岡市)の係争に焦点を当てみよう。
両社の係争は、昨年の10月に表面化した。博報堂がアスカに対して約6億1000万円の未払い金を請求する裁判を起こしたのに対して、アスカコーポレーションは長年にわたって過剰請求があったとして、今年5月に約15億3000万円の支払いを求める訴訟を福岡地裁へ提起した。

アスカコーポレーションからメディア黒書が入手した資料のうち、同社が主張しているタレント料の過剰請求の中身を検証してみよう。(博報堂は係争を理由に取材を拒否している。)

タレント料が不自然に右肩上がりになっているというのがアスカコーポレーション側の主張である。次に示す表は、2008年度と2011年度におけるタレント料の比較である。(裁判資料を基にメディア黒書で作成した。エクセル

この表を見る限り、わずか数年の間にタレント料が高騰している。平均タレント料は次の通りである。

2008年度:411,333円
2011年度:708,000円

同じタレントで2008年度と2011年度の両年度で博報堂がアレンジしたケースについて比較しても、やはり2011年度の方がはるかに高くなっている。たとえば上の表中の浜木綿子(「1」と「1a」)の場合、45万円から70万円になっている。「2」「2a」から「4」「4a」のタレントについても同じ傾向を示している。

◇タレントの年齢と職業

比較対象にしたタレントの年令と職業は次のとおりである。

浜木綿子
1935年10月31日(80歳)
女優

片岡愛之助
1972年3月4日(44歳)
歌舞伎役者

鈴木砂羽
1972年9月20日(43歳)
女優

小野寺昭
1943年9月19日(72歳)
俳優

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