1. 博報堂事件、チャンネルMnetの放送確認書の不自然さ、解消するべき博報堂の最高検察庁人脈

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2016年08月09日 (火曜日)

博報堂事件、チャンネルMnetの放送確認書の不自然さ、解消するべき博報堂の最高検察庁人脈

博報堂とアスカコーポレーションの係争で、重要テーマとなっているのが、CMが放送された証となる放送確認書の解釈と偽装(あるいはミス)疑惑である。

この記事の前篇は→博報堂事件、住所を間違った「にせもの」放送確認書の疑惑が浮上

前篇では、チャンネルMnetの放送確認書に記された同放送局の住所が間違っている事実や、3月に放送したCMの放送確認書が2ヶ月もの時間を経たあと、5月末にようやく発行されている事実など、不自然な点を指摘した。

これに対して読者から反応があった。

チャンネルMnetの放送確認書の実物をPFDで公開したところ、匿名の読者から、ある指摘が寄せられた。放送確認書の本記欄の部分、つまりCMの放送時間帯などを記したセクションが、パソコン画面の張り付け、つまり印字ではなく、パソコン上の画像ではないかという指摘である。

本来、放送確認書は印字が原則である。

◇「×」「-」「□」のPC記号が放送確認書の紙面に

疑惑の根拠となるのが、本記欄の右上のマークである。パソコン画面に特有の「×」「-」「□」のマークが確認できる。(次のPDFの中で、→をつけた部分である)

■裏付けの箇所①

■裏付けの箇所②

つまり本記欄の部分と、それ以外の部分が別々に作成され、後に合成された疑惑があるとの指摘である。

もちろん全放送局が放送確認書を作成にするに際して、同じ書式で同じ方法
を採用しているとは限らないので、放送確認書の作成方法だけを理由に、放送確認書そのものが不正と決めつけるわけではない。しかし、少なくともテレビ界が採用してきた放送確認書の作成プロセスと比較すると、かなり変則的だ。

「普通」の放送確認書は、書面全体が印字される。たとえば次に示すTBSテレビの放送確認書のように。

■TBSテレビの「普通」の放送確認書

本記欄のどこにもパソコン画面に特有の「×」「-」「□」のマークは入っていない。

◇電通、ADK、東急エイジェンシーはCMコードを使用

しかし、繰り返しになるが、どのような書式の放送確認書を発行しようが、基本的には放送局の自由である。問題は、10桁のCMコードを付番してコンピューターによりCM「間引き」を監視する「普通」のシステムを採用していない放送局は、広告主の獲得が難しくなる。

自社のCMが「間引き」されるリスクを覚悟で、CMの番組提案書にサインする広告主などいないからだ。例外があるとすれば、視聴率が極めて高い場合ぐらいだろう。

もともと10桁のCMコードは、民放連や広告主協会が中心になって広告主をCM「間引き」から守るために開発したシステムなのである。あくまでも広告主を保護するためにシステムなのだ。

当然、広告主は、新しいシステムが導入された後、CMコードを所有している。衛星放送の場合も含めてCMにCMコードを付番する。CMコードの付番を忘れているCMは受け付けないことが業界の基本原則になっている。

事実、わたしが電通、ADK、それに東急エイジェンシーに衛星放送におけるCMコードの使用の有無を確認したところ、全社とも、使用すると返事している。付番してあるのを確認するという意味だろう。

◇最高検察庁刑事部長・松田昇氏と博報堂の関係

博報堂がかかわったCMで10桁CMコードがない放送確認書が1500本を超えている事実は重大だ。ジャーナリズムによる検証はいうまでもなく、電波を管理する総務省も調査すべきだろう。

わたしは放送番組の内容を理由に「停波」するのは、言論の自由の観点から誤りだと考えているが、巨額の金銭がからんだ経営上の不正行為が明らかになった場合、「停波」も視野に入れて、再発防止策を取るべきだと考えている。
メディア企業だけを、免責にすべきではない。

「メディアへの権力の介入は許さない」

と、いうメディア関係者の主張は誤っている。経済事件を防止するのは、国の役割である。

ところが、博報堂には松田昇氏(最高検察庁刑事部長)が退官後に再就職(広義の天下り)している。博報堂事件は、放送確認書に関する疑惑はもとより、アスカの通販情報誌を制作する際の過去データの流用問題など、さまざまな疑惑を孕んでいるのだからが、当然、刑事事件になる可能性がある。

その時、「後輩」への影響力がある松田昇氏の存在が真相解明の障害にならないのか?

なお、松田氏は、退官後に博報堂以外の企業も転々としており、どのような役割を果たしてきたのかを検証する必要があるだろう。

■裏付け資料(有価証券報告書)

そもそもメディア企業が検察関係者を受け入れること自体が、世界の常識から著しく逸脱しているのだ。おおよそ考えられないことである。

なお、チャンネルMnet側の言い分については、現在、知人の記者が調査しているので、準備ができ次第に紹介したい。

【情報提供窓口】

情報提供は、℡048-464-1413[メディア黒書]まで。