1. 29日に東京高裁で控訴審判決、横浜副流煙スラップ裁判、提訴から3年の節目

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2020年10月28日 (水曜日)

29日に東京高裁で控訴審判決、横浜副流煙スラップ裁判、提訴から3年の節目

横浜副流煙裁判の控訴審判決が、29日に言い渡される。日時と場所は次の通りである。

日時:10月29日(木)15:30より

場所:東京高裁809号室

第1審の横浜地裁判決は、被告の藤井将登さんの完全勝訴だった。藤井さんが提訴されたのは、2017年11月であるから、藤井さん一家は、約3年の歳月を裁判に奪われたことになる。高裁判決の結果がどうであれ、実質的にはこれで裁判は終結する。

控訴審における最大の関心事は、東京高裁が(訴外)作田学医師(一口坂クリニック)と(訴外)日本禁煙学会の裁判への関与をどう評価するのかという点である。

一審判決は、作田医師の医師法20条違反を認定した。原告の一人を直接診察することなく診断書を交付した行為を違法としたのである。また、問診により「受動喫煙症」のレベル判定をすることを奨励している日本禁煙学会の方針を、禁煙運動を進めるための政策政策目的になっていると認定した。

藤井さんに対する請求は、作田医師が無診察で作成した診断書などを根拠として起こされた。請求額は4500万円。かりに作田医師が原告であれば、訴権の濫用(スラップ)に認定される可能性が高いが、作田医師は訴外になっている。

この裁判で原告は、藤井さんが自宅の密封された防音室で、煙草を吸ったことが原因で、化学物質過敏症、受動喫煙症、癌などに罹患したと主張した。藤井さんが喫煙者であることは事実だが、喫煙量は1日に煙草2本から3本程度である。しかも、自宅の密封された防音構想の音楽室で吸っていたにすぎない。

その程度の喫煙でも、上階の斜め上に住む人間が生命にかかわる重い病気に罹患するというのが、作田医師らの主張である。極論とか、疑似科学という批判がある一方で、宮田幹夫・北里大学名誉教授ら、多くの医師が作田医師の主張を支持して、次々と意見書などを提出してきた。

ちなみに原告3人のうち1人は、過去に約25年の喫煙歴があったことが裁判の中で発覚した。

メディア黒書は、29日の夜に判決を速報する。