1. 誰が放送確認書を偽造しているのか? 放送局か、それとも広告代理店か?

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2018年10月17日 (水曜日)

誰が放送確認書を偽造しているのか? 放送局か、それとも広告代理店か?

テレビのローカル局で、偽造が疑われる放送確認書が多数みつかった。偽造の放送確認書に基づいて、請求書が発行されるわけだから、当然、「中抜き」したCMが請求対象になっていたり、発注していないCMを放送したことにして、その料金を請求するなどの不正が行われてきた疑惑が生じる。

繰り返し述べてきたように、1990年代の後半に、テレビCMの「まびき」事件が、岩手朝日放送などのローカル局で多発し、その防止策として、現在のコンピューターと連動したシステムが導入されたのである。

従って、コンピュータが出力した放送確認書は、手を加えることなくそのままの形でCMのクライアントの手に渡らなければならない。

ところが放送確認書を、放送局が直接、クライアントに届けるのではなく、広告代理店を通じて、クライアントに届ける慣行がある。

こうしたシステムの下では、放送確認書の偽造を誰が主導しているのかという点を検証しなければならない。3つの可能性がある。①テレビ局、②広告代理店、③テレビ局と広告代理店の共犯。

 

◇誰に偽造の疑惑があるのか?

放送確認書の偽造疑惑がある放送局のうち何社かに質問状を送付したが、回答はない。参考までに、鹿児島テレビに対する質問状を紹介しておこう。

鹿児島テレビに対する質問状PDF

広告代理店については、博報堂DYアイ・オーに次のような問い合わせを行い、回答待ちの状態だ。

貴社のウェブサイトで、放送確認書に関連した業務を確認したところ、次のような記述がありました。文中に意味がよく分からない部分があるので、問い合わせさせていただいた次第です。

【質問箇所】
CMが放送された後、各テレビ局が発行する放送確認書と広告主が購入したCM枠が契約通りに放送されたかを確認・照合・修正する業務です。この業務で確認した放送確認書は非常に重要な証憑となり広告主に届けられます。出典
  

 文中に「放送確認書と広告主が購入したCM枠が契約通りに放送されたかを確認・照合・修正する業務」とありますが、「修正」とは具体的に何を意味しているのでしょうか。放送確認書は、一種の証明書であり、コンピュータにより自動的の出力されるものですから、本来、人が手を加える「修正」作業は行ってはいけないはずですが、具体的にどのような「修正」をされているのでしょうか。

 

【冒頭写真】偽造の疑惑がある高知放送の放送確認書。社印の朱のラインと「8」の接続点が、明らかに異なっており、コンピューターから自動的に出力されたものではない可能性が高い。