1. 週刊新潮が共産党・清水隆史議員の国会での「押し紙」追及を記事に

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2017年04月06日 (木曜日)

週刊新潮が共産党・清水隆史議員の国会での「押し紙」追及を記事に

本日発売(6日)の『週刊新潮』が、3月30日に共産党の清水忠史議員が衆議院・消費者問題特別委員会で取り上げた新聞社の「押し紙」問題についての質問を記事にしている。筆者(黒薮)もコメントを出している。

記事のタイトルは、「国会で白日の下に晒された『朝日新聞』押し紙は何割か?」。朝日の他にも、佐賀新聞や毎日新聞のケースも取り上げられている。

清水議員が指摘した朝日新聞販売店の「押し紙」は、約30%である。筆者が入手している複数の資料でも3割程度なので、この数字は朝日の「押し紙」の規模を推測する一応の目安になるだろう。

これに対して朝日新聞のコメントは次のようになっている。

「部数注文は、販売所の自主的な判断でなされています。弊社はその注文に応じて供給しています」

このコメントは、新聞特殊指定が定義している「注文部数」を誤解している。新聞特殊指定でいう「注文部数」とは、販売店が新聞社に口頭で、あるいは書面で発注した部数ではない。端的にいえば、新聞の実配部数に予備紙を加えた部数を言う。つまり販売店経営に必要な部数のことで、それを超えた部数は、理由のいかんを問わず、すべて「押し紙」と定義されている。

このような定義が明らかになったのは、現在、佐賀新聞の販売店訴訟を戦っている弁護団の功績である。特殊指定が定められた過程を歴史的に検証した結果である。そして意外に知られていないが、名古屋高等裁判所が「押し紙」裁判(H15.1.24)の中で、この定義を認定しているのである。

4) なお,被控訴人は,「押し紙」であることの認識がなかった旨主張すが禁法が「一般消費者の利益を確保するとともに,国民経済の民主的で健全な発達を促進することを目的とする」経済取締り法規であり,これに基づく本件告示が特殊指定であり,もっぱら客観的要件を重視していることにかんがみると、主観的認識の有無を不法行為に関する違法性について考慮することはともかく,「押し紙」の有無について考慮することは適当ではないというべきである。

■判決全文

分かりにくい文章だが、端的に言えば、残紙が「押し紙」か否かを判断する場合に、「押し付け行為があったか否か」といった主観的な要素は排除して、客観的に見て販売店の経営に必要な部数を超えた新聞は、機械的に「押し紙」と定義すべきだと判断しているのだ。

今後、公正取引委員会は、この定義に則して全新聞社に「押し紙」の排除命令を下すべきだろう。