1. 警察学校の校長ら警察関係者3名が再就職、再就職等監視委員会の「茶番劇」、博報堂へ「天下り」の実態(2)

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2017年02月09日 (木曜日)

警察学校の校長ら警察関係者3名が再就職、再就職等監視委員会の「茶番劇」、博報堂へ「天下り」の実態(2)

博報堂へ「天下り」しているのは、内閣府の職員だけではない。警察関係者も天下りしている。

筆者が調査したところ、少なくとも現在、3人の警察関係者が博報堂へ再就職している。()内は前職である。[ ]は現在の肩書き。

■松田昇(最高検刑事部長)。[博報堂DYホールディングスの取締役]

■前川信一(大阪府警察学校長)。[博報堂の顧問]

■蛭田正則(警視庁地域部長)。[博報堂DYホールディングスの顧問  ]

警察と広告業とどのような関係があるのかはまったく不明だが、少なくとも次のことはいえるだろう。それは博報堂で不祥事が発生したり、刑事告訴や刑事告発の対象にされた場合など、警察関係のOBが工作すれば、司法による捜査を骨抜きにしやすくなることだ。

◇再就職等監視委員会の茶番劇

「天下り」が民主主義にとって不合理な慣行であることは言うまでもない。日本では、学閥や派閥が意思決定を行う際の大きな要素になっている。本来、国家公務員は退官すれば、政策決定に係わりをもたない、あるいは影響を及ぼす行為を控えるのが、民主国家の原則である。このあたりの意識が欧米から大きく遅れているのだ。

さらに再就職等監視委員会を設けて、表向きは「天下り」を取り締まっているが、取り締まり対象となる中味を見ると、実質的にはほとんど取り締まりが不可能な制度になっていることが分かる。次にあげるたった3項目が、取り締まり対象事項である。

1 現職職員による他の職員・元職員の再就職依頼・情報提供等規制

2 現職職員による利害関係企業等への求職活動規制

3 再就職者(元職員)による元の職場への働きかけ規制

[1]はともかくも、[2][3]は、立証のしようがない。たとえば[3]の場合、料亭で酒を飲みながら政策決定しても、議事録の記録としては残らない。さらに退職後に、利害関係企業等へ交渉する行為は取り締まりの対象外である。官僚はみずからの利益のために、規制をあまくしているのだ。

これでは天下りが根絶できない。報道されていないが、実態はほとんど昔と変わっていない。