1. 検証が進む省庁と博報堂のビジネス、航空自衛隊は業務内容が不明な請求書を開示、経済産業省は開示を延期

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2016年12月19日 (月曜日)

検証が進む省庁と博報堂のビジネス、航空自衛隊は業務内容が不明な請求書を開示、経済産業省は開示を延期

【サマリー】博報堂事件の第2ステージは、省庁と博報堂の関係を検証する作業だ。博報堂が省庁に提出した見積書、契約書、請求書の情報開示請求を進めている。作業は順調に進んでいるが、内閣府、文部科学省に続いて、防衛省でも、検証点が輪郭を現わしてきた。

博報堂と省庁の取引実態を調査するための作業を続けている。現在のところ情報公開はおおむね順調に進んでいる。本格的な検証はこれからはじまるが、既に内閣府や文部科学省、それに防衛省などから、疑問符が付く内部文書が公開されている。

内閣府と文部科学省の文書(博報堂が発行した契約書と請求書)の疑問点については、既報した通りである。資料が黒塗りされた部分が多く、情報公開の意味をなしていなかった。参考までに、請求書の実物を再公開しておこう。

■内閣府の契約書(契約額が約6700万円)と請求書(約20億円)

■文部科学省の契約書と請求書(請求に関する資料がほぼ黒塗り)

さらに防衛省についても、留意しておかなければならない問題が浮上した。

◇契約の中身が分からない

防衛省の航空自衛隊から開示された次の資料を見てほしい。


「契約書のとおり」と書いてあるが、請求書を見ただけでは、どのような業務に対する請求なのかまったく分からない。情報公開の意味がよく分かっていないのではないか。内閣府は、請求書に対応する契約書も開示してきたが、航空自衛隊は請求の中身が分からない請求書を開示してきた。

経済産業省は、延々と情報公開を引き延ばしている。2015年度には、博報堂に対して電力自由化に関連した事業を名目に7800万円が支給されていることなどが、別の情報源から判明しているのだが。

◇情報公開制度の活用 

現在、メディア黒書は、各省庁から博報堂関係の契約書や請求書を入手する作業を続けている。この中には、文部科学省のように、情報公開請求を行う前段階で疑惑の情報をキャッチして、資金の流れを把握してから、情報公開請求を行ったものもある。情報隠しをしないかを見極めるためである。

・内閣府
・防衛省
・文部科学省
・総務省
・経済産業省
・環境省
・厚生労働省
・農林水産省
・外務省
・復興庁

資料の入手が遅れているものもあるが、調査は先行して進んでいる。

特定秘密保護法で言論の委縮が顕著になっているだけに、逆に市民の側は積極的に情報公開請求などの活動を行うべきだろう。黙っていたら言論の自由は奪われかねない。公費が裏金に化けるといったことも起こりかねなくなる。