1. 博報堂から陸上自衛隊に対する不自然な請求額、2重請求の疑惑も

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2016年11月04日 (金曜日)

博報堂から陸上自衛隊に対する不自然な請求額、2重請求の疑惑も

博報堂による公費請求の実態を検証してみよう。11日付けのメディア黒書では、自衛隊音楽まつりの企画(陸上自衛隊)に関連した出費の不自然な増加に焦点を当てたが、今回は、「広報コンサルタント」を名目とした出費を検証してみよう。

結論を先に言えば、広報コンサルタント委託料が不自然に高額であるだけではなく、2重請求を疑わせる事実もある。次に示すのが、明細である。

◇2重請求の疑惑

まず、コンサルタントという漠然とした概念の仕事であるにもかかわらず、請求額がバラバラだ。たとえば、平成21年3月の請求額は、35万7000円だが、平成22年4月の場合は、いきなり417万9000円になっている。

コンサルタント委託料は、平均すると200万円弱で、請求額そのものが異常に高い。いくら高く見積もっても50万円程度が適正な価格である。

次に上記明細の①と②に注意してほしい。平成23年4月4日付けで、「広報コンサルティング」の名目により博報堂は、2枚の請求書を発行しているのだ。金額は、ひとつめが147万円で、2つ目が182万7000円である。

二重請求の疑惑がある。

平成24年3月26日にも、「広報コンサルティング」の名目で、2枚の請求書を発行している。(③④)。ひとつめの請求額が163万8000円で、2つ目が299万2500円である。③と④を合計すると、463万500円にもなる。

陸上自衛隊にこれらの請求書に対応する見積書があるかを問い合わせたところ、情報公開請求を申し立てれば、見積書がある場合は開示するとのことだった。つまり見積書が存在しない可能性もあるのだ。

改めていうまでもなく、見積書を作成せずに、請求書だけで取引した場合、高額な料金を請求されることがままある。が、公費は、「血税」である。それでは済まされない。仮に社会通念からして、博報堂による請求額が不適切な場合は、訴訟で過払い金を返済させるために、住民訴訟を提起することも大事だろう。

ちなみに「広報コンサルティング」とは、おそらく自衛隊のプロパガンダを進めるための戦略に関するアドバイスである。本来、公共的な性格を帯びている自衛隊のイメージを、プロパガンダによってゆがめるのは許されないはずなのだが。