1. 博報堂事件、業務を依頼していないのに勝手に請求、油断したスキを狙った「置き引き」型

大手広告代理店に関連する記事

2016年09月21日 (水曜日)

博報堂事件、業務を依頼していないのに勝手に請求、油断したスキを狙った「置き引き」型

博報堂とアスカコーポレーションの係争で、次々と博報堂による騙しの手口が明らかになっている。

今回、紹介する騙しの手口は、アスカが依頼していない業務に対して博報堂が料金を徴収していたとされる例である。もっとも博報堂は取材を拒否しているので、以下、アスカ側からの情報提供に基づいた記述になるが、裏付け資料を見る限りでは、極めてトリッキーな手口が使われている。

◇知らぬうちに50万円を請求

通販会社に限らず商品販売を業とする企業は、顧客サービスのひとつとして、あるいは顧客を獲得するための戦略として、特定の商品を購入した顧客に、なんらかのプレゼント商品を提供することがある。2005年の冬、アスカは商品を7000円以上買った顧客に対してバックをプレゼントするキャンペーンを張った。下記が、その際の案内である。

当然、アスカはバックを準備しなければならない。そこでN株式会社から、バックを5万個購入した。次に示すのがそれを裏付ける請求書である。黄色の部分である。

こうしたサービスをプレミアムとかノベルティと呼ぶ。アスカはプレミアムとノベルティに関しては、請求書が裏付けるようにN株式会社と取り引きをしていたのである。

ところが博報堂は、「プレミアムコンサルティング(料金)」とか、「ノベルティコンサルティングフィー」の名目で、毎月50万円を請求していたのだ。請求回数は6回。下記がそれを裏付ける博報堂の請求書の一部だ。

アスカの担当者がほんのちょっと油断したスキを狙った不正請求であった可能性が高い。いわゆる「置き引き」にヒントを得た手口だ。博報堂は、この請求の中身を説明すべきだろう。取材に応じて弁解すべきだろう。

【参考記事】

この事件の全体の構図は、次の記事を読んでほしい。

【解説】奇怪な後付け見積書が多量に、博報堂事件の構図はどうなっているのか?

■ 博報堂問題の原点--郵政事件、郵政のC氏に対する接待工作