1. Mリンチ事件で敗訴したエルネスト金氏の損害賠償金問題、未払いの背景にカウンター運動の非人間性か?

内ゲバ事件に関連する記事

2019年07月10日 (水曜日)

Mリンチ事件で敗訴したエルネスト金氏の損害賠償金問題、未払いの背景にカウンター運動の非人間性か?

Mリンチ事件で確定した損害賠償金の支払いをめぐってトラブルが起きている。敗訴して損害賠償金の支払いを命じられた被告のうち、エルネスト金氏が、賠償金約114万円の支払いを履行していないらしい。(7月3日の時点で)。

7月3日付けのデジタル鹿砦社通信は、トラブルの経緯を次のように報じている。

6月12日、リンチ被害者M君が5名を訴えた上告について、却下の連絡が代理人の大川伸郎弁護士へあった。賠償を命じられた李普鉉氏からは「賠償金を支払いたいので口座を教えてくれ」と代理人から連絡があった。一方金良平氏からは何の連絡もないので、大川弁護士は金良平氏の代理人に「賠償金の支払い」を求める旨と、大川弁護士の銀行口座明細を記載したFAXを送付したが、7月2日現在大川弁護士には、金良平氏の代理人から何の連絡もないという。【全文】

M君を支援する会のツイッターも、昨日、次のような抗議のツィートを投稿した。

エル金こと金良平へ
確定判決に従い、速やかに貴殿が支払うべき金員をM君へ支払え。
                         支援会一同

 

◆「運動」の中でだれが賠償金を負担するのか
M君に対するリンチ事件を起こしたグループは、反差別の看板を掲げた「人権派」の人達である。横の人的つながりも、組織的つながりも広く、特にリベラル派と呼ばれる文化人らが熱心に彼らの運動を支援してきた。「のりこえネット」の辛淑玉、中沢けいといった面々である。

弁護士とのパイプも太く、 上瀧浩子氏や神原元・自由法曹団常任幹事らが、彼ら関与した裁判に直接かかわってきた。『ヘイト・スピーチとは何か』(岩波新書)の著者・師岡康子氏も同じ類である。

カウンター運動を展開してきた人びとが、エルネスト金氏ら5人を被告とする裁判を応援していたことは言うまでもない。ところがエルネスト金氏が命じられた114万円の負担には無頓着のようだ。7月3日の時点では支払が履行されていない。資金がないのか、それとも支払を履行しない方針なのだろうか。

通常、「仲間」が敗訴して賠償金が必要になった時は、カンパなどを集めて、本人の負担を軽減するものだ。わたしも読売との裁判で、敗訴して約110万円の支払いを命じられたことがあるが、1週間で約100万円のカンパが集まった。それを読売新聞に納金したのである。弁護士からの請求はなかった。


◆大半が分別のあるはずの中高年層が?

M君リンチ事件の裁判が終わって、わたしがいまも理解できないのは、カウンター運動を展開している面々のメンタリティーである。それは写真でも記録されている。「釘バット」を握って凄んでみたり、奇妙な格好をして「反核」運動のイメージダウンをはかったりしてきた。しかも、その主役の大半が年甲斐のあるべき中高年層である。

カウンター運動が住民運動や市民運動に及ぼした負の影響ははかりしれない。

フェイクニュースの種もまき散らした。その典型がM君裁判の大阪地裁判決で敗訴した日の夜、神原元・自由法曹団常任幹事や李信恵氏らが、祝杯をあげたことである。敗訴したのに、飲み屋で祝杯をあげ、その写真をツイッターで拡散したのだ。(冒頭写真)。この時点で、伝統ある自由法曹団の信用も地に堕ちた。

わたしは、彼らが左派勢力を分断するために、デタラメな反差別運動を展開してきたのではないかと疑っている。彼らを批判する人びとには、ネットウヨのレッテルを張り、ツイッター上のリストに名前を掲載したりする。つまり健全な住民からは、全く支持されないことを繰り返してきたのだ。

それを「文化人」が支援してきた。と、いうよりも批判を控えてきた。ここにこの国の深い病理がある。