1. 危惧される読売新聞販売店(YC)と警察によるスパイ活動、共謀罪と読売防犯協力会の関係

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2017年04月08日 (土曜日)

危惧される読売新聞販売店(YC)と警察によるスパイ活動、共謀罪と読売防犯協力会の関係

国会で共謀罪が審議入りした。平成の治安維持法とも言われるこの法律の審議入りに対して全国的な規模で反対の声が広がっている。日本ペンクラブも共謀罪に反対する声明を出している。

■日本ペンクラブの声明

この法律の危険な側面のひとつに、法律の施行に連動して、国家権力によるスパイ活動の必然性が浮上してくる点である。と、いうのも「共謀」を立証するためには、それを裏付ける情報の入手が不可欠になるからだ。その結果、会話の盗聴やインターネットの監視などが、昼夜を問わず日常的に行われるようになるのは間違いない。

旧ソ連や軍事政権下のチリ、それに北朝鮮のようになるのは間違いない。

◇新聞販売店を通じた情報収集

こうした状況の下で、特定の組織が警察によりスパイ活動に悪用されかねない危険性がある。たとえば全国読売防犯協力会(Y防協)という組織がある。これは全国の読売新聞販売店(YC)と警察の協力で、防犯活動を展開するボランティア組織である。本部は、読売新聞東京本社内にある。

警察と新聞関係者が協力体制を敷いている例は、世界でも極めてまれだが、このようなことが可能なのは、読売の故正力松太郎社長(元A級戦犯容疑者・写真)が戦前の特高警察の出身という特殊な事情があるようだ。

新聞販売店は早朝(午前2時)に仕事を開始する。しかも、販売店網は全国の隅々にまで張り巡らされている。そのため販売店をある種の「警察支部」的な拠点にすれば、確かに防犯には効果的だ。路地裏まで「監視」できる。

Y防協のウエブサイトによると、「活動の目標は次の4点に集約できる」という。

1.配達・集金時に街の様子に目を配り、不審人物などを積極的に通報する

2.警察署・交番と連携し、折り込みチラシやミニコミ紙などで防犯情報を発信する
3.「こども110番の家」に登録、独居高齢者を見守るなど弱者の安全確保に努める

4.警察、行政、自治会などとのつながりを深め、地域に防犯活動の輪を広げる

■出典

「1」は特に懸念材料だ。読者の自宅を訪れた集金人から、訪問先の家に集まってなにかを話し合っている人々に関する情報が警察へ通報されるかも知れない。

防犯活動そのものは社会貢献に違いないが、それを警察と連携し、しかも、情報の通報が活動の中心になっているわけだから、共謀罪が成立すれば、Y防協は準スパイ組織に変質する危険性がある。

◇読売と全国の警察が覚書

Y防協が覚書を交わしている警察は次の通りである。

■出典

高知県警 2005年11月2日
福井県警 2005年11月9日
香川県警 2005年12月9日
岡山県警 2005年12月14日
警視庁 2005年12月26日

鳥取県警 2005年12月28日
愛媛県警 2006年1月16日
徳島県警 2006年1月31日
群馬県警 2006年2月14日
島根県警 2006年2月21日

宮城県警 2006年2月27日
静岡県警 2006年3月3日
広島県警 2006年3月13日
兵庫県警 2006年3月15日
栃木県警 2006年3月23日

和歌山県警 2006年5月1日
滋賀県警 2006年6月7日
福岡県警 2006年6月7日
山口県警 2006年6月12日
長崎県警 2006年6月13日

茨城県警 2006年6月14日
宮崎県警 2006年6月19日
熊本県警 2006年6月29日
京都府警 2006年6月30日
鹿児島県警 2006年7月6日
千葉県警 2006年7月12日

山梨県警 2006年7月12日
大分県警 2006年7月18日
長野県警 2006年7月31日
福島県警 2006年8月1日
佐賀県警 2006年8月1日

大阪府警 2006年8月4日
青森県警 2006年8月11日
秋田県警 2006年8月31日
神奈川県警 2006年9月1日
埼玉県警 2006年9月14日

山形県警 2006年9月27日
富山県警 2006年9月29日
岩手県警 2006年10月2日
石川県警 2006年10月10日
三重県警 2006年10月10日

愛知県警 2006年10月16日
岐阜県警 2006年10月17日
奈良県警 2006年10月17日
北海道警 2006年10月19日
新潟県警※ 2003年3月26日
沖縄県警 2008年6月12日

※新潟県警との締結は、03年9月に当時の生活安全部長と新潟県読売防犯協力会が締結したもの。県警の希望で新規更新はしていない